まず最初に法律による不貞行為の解釈は双方に貞操義務を課した上で【配偶者ある者が、自由な意思にもとづいて、配偶者以外の者と性的関係を結ぶこと】であることを前提に話を進めていきましょう。
であれば
①配偶者ある者・・・その通り該当します
②自由な意思・・・脅迫や強要されいない以上、自由意思です
③配偶者以外の者と性的関係・・・風俗の種類により微妙
日本の法律では表面上であれ売春行為は認められておりません。
また、性行為を目的としない風俗店も多数あり、風俗店利用が不貞行為と直結するとまではいえないでしょう。
判例でも不貞においては【性行為】の存在がポイントになるという考えが主流である為、風俗通いを不貞行為として離婚請求を行おうとする時は【性行為の存在】を立証しなければいけません。
ご主人の通われている風俗店で、確実にご主人が性行為をしているとの証明は難しいといえるでしょう。
夫の風俗遊びが発覚した原因でよくあるのが、風俗店の名刺や携帯電話の通話履歴が見つかったというケースや、風俗店を利用した夫から性病(STD)をうつされたといったケースがあります。
本人も風俗通いを白状し、性病までうつされたにも関わらず何もできないのか?といえば、そこまでではありません。
民事訴訟をすれば慰謝料も認められることになるでしょうが、離婚原因となる不貞行為に該当するか?とした時に、認められない可能性が高いということです。
ただ、度重なる風俗店通いが発覚し、反省することなく風俗通いを繰り返したというのであれば、婚姻関係の継続は難しいとして民法770条1項5号により離婚が認められることはあります。
「妻から性行為を拒まれた」というのは風俗通いの理由として認められることはありません。
探偵社の業務においても、妻の素行調査を行った結果、風俗店勤めや売春が発覚したというケースは珍しくはありません。
ここでも、【配偶者ある者が、自由な意思にもとづいて、配偶者以外の者と性的関係を結ぶこと】を中心に話を進めていきましょう。
妻の売春や風俗勤めは
①配偶者ある者・・・その通り該当します
②自由な意思・・・強姦ではないので自由意思です
③配偶者以外の者と性的関係・・・売春行為があれば該当します
日本の法律では表面上であれ売春行為は認められておりません。
生活苦や主人が働かないといった事情があったとしても、売春行為が認められれば不貞行為として離婚原因になります。
また、そういった判例もあります。
では、売春行為(性行為)のない風俗店で働いていたという場合はどうでしょう?
様々な事情を考慮した上で、婚姻関係の継続は難しいと判断されれば民法770条1項5号により離婚が認められることはあります。
また、強姦や配偶者の承諾があった上でのことであれば不貞行為にはなりません。
最後に、夫の風俗通いを含めた不貞行為も、妻の売春を含めた不貞行為も、夫婦関係が完全に破綻した後であれば不法行為とは判断されないでしょう。